概要
SAPでは、開発した資産(プログラム等)を他の環境へ反映する作業を「移送」と呼びます。
移送を行うには、「移送ルート」の設定が必要であり、移送ルートを設定しないと移送を行うことができません(移送ファイルを手動でコピーしてコマンドから移送を実行…ということも実は可能ですが、標準的な手順ではありません)。
ここでは、基本的な移送ルートの設定方法について解説していきます。
移送ルートの設定では、各SAPシステムの役割やどの様なルートで移送を行うのかを定義します。
尚、解説ではトライアル版のSAPを使用しています。詳細は下記を参照してください。
SAP NetWeaver AS ABAP トライアル版構築
手順
SAPを起動してクライアント「000」、ユーザ「DDIC」で接続します。
続いて、トランザクションコード「STMS」を入力して、Enterキーを押します。
移送管理システム画面が表示されるので、「Overview」タブ→「Systems」の順にクリックします。
現在登録されているシステムが表示されます。
ここではSIDが「NPL」というシステムが1つだけ存在しています。
移送ルートを設定するには、移送をエクスポートするシステムと、エクスポートした移送をインポートするシステムの最低2システムが必要になります。
今回は「NPL」の1つのシステムしか無いため、「仮想システム」を作成していきます。
仮想システムを作成するには、「SAP System」タブ→「Create」→「Virtual System」の順にクリックします。
仮想システムの作成画面が表示されるので、System(3桁のSID)とDescription(任意の説明)を入力して「保存」ボタンをクリックします。今回は「VS1」というIDにしました。
仮想システム「VS1」が作成されました。
これでシステムが2になったので、移送ルートを作成していきます。
「Enviroment」タブ→「Transport Routes」の順にクリックします。
移送ルート画面が表示されます。最初は参照モードとなっているため、画面左上のボタンで変更モードに切り替えます。
続いて、「Configuration」タブ→「Standard Configuration」→「Development and Prodution System」の順にクリックします。
Development System(移送をエクスポートするシステム)とProdution System(移送をインポートするシステム)の指定を行います。ここではDevelopment Systemに「NPL」を、Prodution Systemに仮想システムである「VS1」を設定しています。
設定が完了したら、チェックボタンをクリックします。
移送ルートが作成されました。続いて保存ボタンをクリックして、移送ルートを保存します。
移送ルートの保存名を確認されるため、任意の名称を入力してチェックボタンをクリックします。
確認メッセージが表示されるため、「Yes」をクリックして変更をすべてのシステムに反映します。
画面左下に緑のチェックで確認メッセージが表示されます。
以上
コメント