概要
SAPシステムでは、1クライアントに対する同一ユーザIDでの多重ダイアログログオン(SAP GUIを使用したログオン)をプロファイルパラメータによって制御(許可 or 禁止)することができます。
設定は必須ではありませんが、セキュリティの観点から、環境に合わせて設定することをおすすめします。
尚、解説ではトライアル版のSAPを使用しています。詳細は下記を参照してください。
SAP NetWeaver AS ABAP トライアル版構築
手順
多重ダイアログログオンを制御するパラメータは「login/disable_multi_gui_login」です。
値が「0」なら多重ダイアログログオン可で、「1」なら不可となります。
尚、静的なパラメータなので、SAPシステムの起動中は変更ができません。
下図は「login/disable_multi_gui_login」の値が「0」で多重ダイアログログオンしようとした状態です。
3つの選択肢が表示されます。ざっくりですが、内容は下記の通りです。
- ログオンを続行し、ログオン済みセッションは切断(保存していないデータは失われる)。
- ログオン済みのセッションはそのまま、新たにログオン。
- ログオンを中止。
このうち2つ目を選択してEnterキーをクリックすることで、多重ダイアログログオンができます。
ちなみに、1つ目を選択してログオン済みのセッションを切断した場合、下記の様なエラーポップアップメッセージが表示されると共に、システムログ(Tr-cd:SM21)が出力されます。
多重ダイアログログオンを禁止したい場合、「login/disable_multi_gui_login」の値を「1」に設定します。「1」の状態だと、下図の様に多重ダイアログログオンの選択肢が表示されなくなります。
「login/disable_multi_gui_login」の値が「1」の状態で、一部ユーザのみ多重ダイアログログオンを許可することも可能です。
その場合、多重ダイアログログオンを許可したいユーザIDを、パラメータ「login/multi_login_users」に設定します。
複数のユーザIDを指定したい場合、カンマ区切りで設定します。
ここに設定したユーザIDで多重ダイアログログオンしようとした場合、先述の選択肢の表示なく、多重ダイアログログオンが行われます。
尚、こちらも静的パラメータなので、変更後はSAPシステムの再起動が必要です。
以上
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